私の切手コレクションは、私の生まれた年から始まっている。祖母が、孫3人に毎月、買い与えてくれたものだ。だから、私の切手コレクションは祖母が亡くなった前の月で終わっている。その切手コレクションが復活したのは、3年前。やっと時間と心に余裕が持てるようになったから。
さて、そんな切手コレクションの中に、鮭の切手がある。これは、昭和54年(1979)から昭和58年(1983)まで32枚発行された「近代美術シリーズ」の中の1枚である。このシリーズは、私の中ではあんまり好きではないシリーズで、例えば、岸田劉生の「麗子像」なんて怖くて怖くてストックブックにひっくり返していれてたほど(笑)。ほかの作品も、小学生の私には難解で、はやく終わらないかなぁと思っていた。ところが、1枚だけ、心奪われたのが、高橋由一の油絵「鮭」の切手。とにかく、この絵を見ていると、焼いた塩鮭が食べたくなるのである。たぶん昔の家には、こんな風に土間に鮭がつるされていたのではなかろうか。
何故、急に鮭の切手なのかと言えば、『
中浜万次郎―「アメリカ」を初めて伝えた日本人』の中に、高橋由一の話が出てきたから。今では、高橋由一と言えば、日本の油絵の創始者として有名だが、明治のはじめ頃は、書いても売れずに貧窮していたらしい。そこで、現れるのがジョン万次郎♪『自ら知人に事情を説き回り、救助金を募った』そうだ。
我が家にも、小さいながらも切手としてこの絵があるではないか。というわけで、小さな額に入れて台所に飾ることにした。もちろん、この日のばんごはんが塩鮭になったことは念にも及ばないことである(笑)。
fuwacoco食堂(4月1日の献立参照)
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